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2013年11月28日木曜日

無人航空機(UAV)を用いた高詳細3D地形データの取得 その2

  またロボットネタです…。
  ブログ名が「週刊化石少年」なのに最近化石の話を全くしないじゃないのという皆様の声も聞こえてきそうですが、現在執筆中の化石に関する書籍が入稿しましたらその話題で埋め尽くすと思いますので、今しばらくご容赦ください。

 ところで先日は産総研中国センターの一般公開に出展してまいりました。現地でご一緒した開発者の方に、前回のロボットに関する記事をお見せしながらお話していたところ、何とその方は「LEGO Mind Storms鉄人テクニック」を執筆されたJin Sato先生ご本人だったという衝撃の体験をしてしまいました。本書を含め、Jin Sato先生の書籍は水上ロボットを作る際に何度も拝読し、また先生が作られたJMM-TOOLというCAMソフトウェアを使って三次元造型の勉強もしました。

  まさに「釈迦に説法」をモロにやってしまった訳でして、穴があったら入りたいほど恥ずかしい思をしてしまいました。一生思い出しては赤面する事でしょう。最近は3Dプリンタを使ったロボット開発に力を入れておられるとのことで、設計や素材の選定などについて大変勉強させて頂きました。とても貴重な経験でした。

  さて、前回の記事で「民生用のUAVを使用した地形モデル作成をDIYする時代がすぐそこに…」などと書きましたが、既に実行している方がおられましたのでご紹介します。やはり未来に生きている人々は常に存在するという事ですね。




  上のサイトを見る限りでは、Ar. Droneにて撮影した写真と、Autodesk 123Dというソフトウェアを使って地形の三次元モデルを構築しているようです。Autodesk 123Dは下記の通り無償で公開されており、手軽に3Dモデルを構築する手段としては現在最も良い選択肢ではないかと思います。
http://www.123dapp.com/

  これに限らず、写真から三次元モデルを作成するソフトウェアは有償無償を問わず、非常に優秀なものが多々リリースされております。3Dプリンタなどの出力用機材はあるものの、3Dデータが用意できないという声が多く聞こえる現状を考えると、来年度はこれらのソフトウェアがより脚光を浴びるのではないかと思います。ノウハウが蓄積されれば面白い展開になりそうですね。

2013年11月17日日曜日

G空間EXPO Geoアクティビティフェスタ 優秀賞受賞

11月14日(木)~16日(土)にかけて、お台場の未来科学館にて行われた国交省主催の「G空間EXPO2013 Geoアクティビティフェスタ」に精密立体模型3台をブース出展しました。

お陰様を持ちまして、最終日にはなんと優秀賞をいただいてしまいました。
授賞式の様子はこちらとこちらでご覧いただけます。

審査員の先生方からは主に下記の点を評価して頂きました。
・技術的な完成度が高い。
・デジタルの精度を保ちながら、アナログな表示方法を併用する事で情報にアクセスしやすい。
・プロアマを問わず、対象者に情報を分かりやすく伝えられる。

まさに私が開発段階で意識していた内容そのものでして、これが皆さんに伝わったということが何よりも嬉しく感じました。受賞自体も喜ばしいことですが、それ以上に沢山の素晴らしい方々との出会いがあり、大きな刺激を受けることができました。また新しいアイデアが色々と湧き出して来そうです。

授賞式の後は、審査員の先生方と受賞者とによる60分間のパネルディスカッションが行われました。日本の人口が減少する中で、将来の「小さな社会」に向けた国土情報に関するオープンデータのあるべき姿、またSNS等を積極的に利用した空間情報の共有や、ウェアラブル端末や三次元造型体を用いた情報の運用など多くの話題について話し合い、とても有意義でした。

学生時代にふとした思い付きで故障品の三次元造型機を購入し、立体地質図模型の開発を始めててから今年でちょうど10年目となりました。この節目となる年に、素晴らしい場で発表の機会を頂き、また栄誉ある賞を受賞できたことを本当に嬉しく思います。これを励みに今後より一層励みたいと思いますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。


授賞式の様子
展示ブースの様子



2013年11月15日金曜日

G空間EXPO2013


14日(木)~16日(土)の3日間、お台場の科学未来館で行われているG空間EXPO2013に参加中です。
入場無料ですのでぜひお越しください。
私は企画展示ブースBで行われるGeoアクティビティフェスタに出展しています。
精密立体地質模型を3台設置し、プレゼンに臨みます。

2013年10月30日水曜日

産総研中国センター(広島)一般公開出展のご報告

 先週末は産総研中国センターの一般公開で液状化の実験やアナグリフ地形図、岩石薄片サンプル、工作コーナーなどの展示を出展しました。
 展示の様子を中國新聞に掲載して頂きましたので、リンクを貼っておきます。何やら私が紙面を飾ってしまってますが、いいのでしょうか・・・。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201310260033.html

 また現地の小学校のオファーで、地質の講義をさせて頂きました。講義では精密立体地質模型を用いた地質図の読み方、プレートの概念、東日本大震災の震源の説明のほか、沈降管を用いた堆積実験や、広島県内で見つかったクジラ化石の解説などを行いました。

 小学校6年生の皆さんが対象でしたが、既に火成岩や堆積岩の分類を熟知しているなど非常にレベルの高い生徒さん達でしたので、こちらも力が入りました。

中国センターには内湾の津波実験を行う大規模な水槽があり、津波シミュレーションの実証などを積極的に行っています。この施設も一般公開されていました。

2013年10月29日火曜日

「量産型筑波山」 続々製造中


 「進撃の筑波山」といった感じでしょうか…。写真で見るとなかなかの迫力です。前々回の記事でお見せした筑波山の原型モデルをシリコンで型取りし、歯科用の精密石膏でコピーしたものです。

 量産型といっても、精度の面で原型モデルに大きく劣るものでは決してありません。双耳峰の構造や筑波台地と桜川低地との高低差など、全て表現できています。11月3日の講演会では、会場の皆様全員にこのモデルをお配りし、観察して頂く予定です。

現在22個製造していますが、歩留まりも発生していますので、もう少し生産を続ける予定です。
模型を使ったバーチャルジオツアーをお楽しみください。

2013年10月21日月曜日

無人航空機(UAV)を用いた高詳細3D地形データの取得


表題の件についての様々な記事や、これまでの開発経緯(=失敗談)をまとめてみました。長文です…。

 UAVとはUnmanned Aerial Vehicle、すなわち無人航空機の略称です。
 UAVの歴史は古く、第一次世界大戦時から開発がスタートしたとの事ですが、現在は官民を問わず広く門戸の開かれた分野となっています。特に21世紀になってからは民生品のラジコンを自律飛行させるキットが販売されました。またホビー分野では、Ar. DroneやGALAXY VISITORなどに代表されるような個人ユースの無人機も登場しています。特にAr. Droneは優れた安定性と、タブレットやスマホを用いた手軽な操縦システム、カメラの標準搭載による空撮性能、そしてトイザらスやAmazonで手軽に購入可能という特徴から、本式のUAVに比べれば性能は低いものの、この分野の敷居を一気に押し下げた感があります。

 ラジコンを無人機に改造するキットがまだ一般的でなかった2007年ごろ、無人機を自費開発して阿寒湖の調査に挑んだことがありました。ただし航空機ではなく水上ロボットですので、正確にはUSV (Unmanned Surface Vehicle) に分類される機体でしょうか。2007年秋にはGarmin社製のGPSとレゴマインドストームによる自律誘導が可能な第一世代型USVを、また2008年夏にはイーグル社製のGPS内蔵ソナーを搭載して緯度経度と深度情報が取得できる第二世代型USVを作成し、阿寒湖の詳細な湖底地形データを取得する予定でした。また第二世代型には試験的にワイヤレスカメラを装着し、操縦者が装着したヘッドマウントディスプレイにソナーの情報が表示されるような仕組みも取り付けました。


第一世代型USV、全長約50 cm。
スクリューとファンの両用による推進。
第二世代型USV、全長約60 cm。
上部のカバーを外し、ソナーを露出させた状態。
スクリューによる推進。
第二世代型USVの先端部分。
上部のカバーを付けた状態。カバー上にワイヤレスカメラを搭載。
このカメラでソナーのディスプレイを遠隔表示。

 結果から申し上げますと、第一世代は推進力が圧倒的に不足していたせいで微弱な水流にすら逆らえずに湖面を迷走、第二世代は一定時間測定できたものの、ソナーの重みに耐えきれず船体内部に浸水したのち半壊、そして沈没(その後回収)と散々な末路を辿りましたが、それでも僅かながら地形データを取得する事が出来ました。しかしその後、仕事が忙しくなったこともあってUSVの開発は停滞しております。


 このようなショッパイ失敗談は横に置いておくとして、現在世界中でUAVやドローンを用いた地形取得の試みが進められているので紹介していきます。UAV自体の開発環境が整ったことに加え、UAVで撮影したカメラ画像から精密な三次元モデルを合成するソフトウェアを容易に入手できるようになった事も、この状況に拍車をかけていると思われます。

例えばこちらはスイス連邦工科大学の運用例です。UAVの一種であるドローンを用いて、マッターホルンの精密3Dモデルを作成しています。

この記事だとドローンの性能がよく分かりませんが、下記ITmediaの記事で紹介されているeBeeという機種とほぼ同じものだと思われます。


 またこちらはCADソフトウェアの老舗であるAutodesk社が手掛けた、UAVによる建造物の3Dモデル作成例です。



 国内でも(株)アジア航測や(株)防災技術などが非常に高精度な写真測量による三次元モデルの合成ソフトウェアをリリースしています。こちらもUAVとの親和性は非常に高いと思われます。

 また、地形図の取得とは少し違いますが、伊豆大島の火山活動観測に対してUAVやUGV(無人観測車)による観測網を構築する研究も進められています。こちらもUAVを用いた情報収集例の最先端と言えるでしょう。

 なお先述のAr.Droneですが、今年の8月には次世代型のPower Editionなるものがラインナップに加わりました。この製品は飛行時間が従来の12分から36分へと3倍に延長され、更に別売のGPSフライトレコーダーを接続すれば機体の位置がリアルタイムで記録できるほか、指定した目的地点に従って自律飛行を行うことも可能になるそうです。Ar.Droneにはもともと高度センサーが搭載されているので、GPSによる誘導と組み合わせれば疑似的な地形追随飛行 (*1)も可能ということでしょうか。もしこれができれば、品質の一定した画像データを取得しながら飛行する事も容易だと思われます。AR.Drone 2.0 Power Editon の価格は約3万9000円、GPSフライトレコーダーは別売で約1万3000円だそうです。操縦範囲が実質50mでカメラの画質も限定的であるなど、本式のUAVと比べれば機能は限られるため写真測量に使用するのはまだ問題があるかも知れませんが、ここまで高機能なものが数万円で販売されているのは驚異的と言うほかありません。こういった民生品のUAVも今後どんどん進化する事でしょう。正しい使われ方がなされることを祈るばかりです…。

 いずれにしても、地形データの取得から立体モデルの作成までの工程を全てDIY (*2)できてしまう時代がもうすぐそこまで来ていると思われます。全国にある各ジオサイトの3Dモデル作成や、個人で発見した露頭のデジタル保存など、挑戦する意義はあるのではないでしょうか。私も久々にロボット開発と地形データの取得作業を再開する予定です。

*1 レーダーによって機体前方の地形を走査しながら、地表面に対して一定の高度(一般に数十メートル)を保ちつつ飛行すること。NOE (Nap Of the Earth)飛行とも呼ばれる。

*2 Do It Yourself、すなわち「自分で作る」の意。日曜大工よりも広い概念かと思われる。起源は意外に古く、第二次大戦後のロンドン復興に関する国民運動とのこと。限られた材料と科学知識で創意工夫を凝らすという意味で、某ドラマの主人公名に由来した「マクガイバリズム」というスラングが上位互換(?)となるケースも。

2013年10月16日水曜日

マイクロ筑波山 Ver. 2

という訳で前回に引き続き、筑波山の小型模型です。
前回の反省点を踏まえ、今回は造型ピッチと素材を改善しました。
素材は従来品より約1.3倍高密度なものに変更し、また工具径も前回のと比較して0.6倍細いものを使用しています(知財の関係上、詳細な説明を割愛しますことをお許しください)。

上の写真がVer. 2、下がVer. 1です。
素材の高密度化に伴って表面が滑らかになり、また等高線のエッジも明瞭になりました。
現在はシリコンで型取りし、石膏による複製を行っています。
とりあえず次回のイベントで来場者の皆さんにお配りしてテスト運用し、感触が良ければ開発を続行する予定です。お楽しみに。




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