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2014年3月17日月曜日

 『薄片でよく分かる岩石図鑑』刊行のお知らせ



 岩石薄片とは、岩石を厚さ30μmにまで薄く均一に研磨した試料の事をいいます。
 薄く加工された岩石は光を通す性質を持ち、これを偏光顕微鏡と呼ばれる特殊な顕微鏡で観察する事で、結晶の光学的性質と、岩石の種類や性状について分析する事が可能となります。

 本書では、世界トップレベルの薄片作製技術を持つ地質標本館の試料調製グループが作製した薄片の顕微鏡写真を中心に、その元となった岩石の写真と解説、薄片から読み取れる情報、最新の薄片作製技術の紹介、家庭での簡易薄片の作り方など、非常に多くの情報が盛り込まれています。

 私は、堆積岩の項目を中心に執筆させて頂きました。元々が古生物学専門なので、どうしても化石を中心とした解説になってしまいましたが、堆積岩の薄片から古環境を読み取る作業はとても魅力的で、少しでもその雰囲気を皆さんにお伝えできていればと思います。

 偏光顕微鏡による薄片観察は非常に手のかかる作業で、学生時代に心が折れそうになる人も結構いる(私もその一人)ですが、本書は顕微鏡の操作方法や観察のポイントなどについても分かりやすく解説されており、この本をきっかけとして一人でも多くの方が薄片観察の楽しさに目覚めて下されば幸いです。

 こうした素晴らしい書籍に微力ながら関われたことを非常に光栄に思います。共著者の皆様には心からお礼を申し上げます。

 なお、一般書店での販売も行われているようです。ご興味のある方はぜひご覧ください。


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