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2014年6月30日月曜日

特別展「アナログ地質模型の世界」のお知らせ


さて、いよいよ情報が解禁となりましたので、お知らせいたします。
地質標本館では7月15日より、夏の特別展「地質アナログ模型の世界」を開催いたします。

本特別展では地質情報を三次元化したアナログ模型の数々を展示します。
もちろん、HiRPシステムも下記4点を出展します。
1.つくば市周辺地域巨大模型(筑波山~霞ヶ浦地域の120x90cmモデル)
2.富士山模型(IAVCEI2013、G空間EXPO等で展示した30x30cmモデル)
3.筑波山模型(市内の科学イベント等で展示している30x30cmモデル)
4.見物海岸立体模型(3Dプリントされた模型に海水準変動のアニメーションを投影す50cmx50cmモデル)

他にも、Nゲージの縮尺に合わせて作られた地質ジオラマや、関東・関西の地下を再現した基盤構造モデルなど、とにかく「模型」をメインとした、標本館では前代未聞の特別展です。

今回は、配布用のパンフレットも非常に凝ったものとなっています。
なるべく分かりやすく、を合言葉に、デアゴ○ティーニ的な割付にしてみました。
ページ数も44ページと力作です。

お子様にも楽しんでいただける特別展だと思いますので、皆様ぜひお越しください。

2014年6月29日日曜日

「化石観察入門」7月15日発売予定です



しばらく更新が滞っておりまして申し訳ありませんでした。
下記の書籍を仕上げるため、ずっと仕事場にこもっておりました。

芝原暁彦著 「化石観察入門」
http://honto.jp/netstore/pd-book_26244948.html

7月15日に発売される予定です。
入門書にしてはかなり濃密というか、マニアックな内容となっております。

この本の執筆にあたっては、多方面の方々から強力なご支援をいただきました。
研究所内の方々や各大学の先生方には貴重な標本写真をお借りしました。また小学・中学・高校時代にお世話になった先生方には、当時いただいた標本の情報を使用させて頂いております。特に高校時代の恩師である安野敏勝先生には、福井県で先生が発見された足跡化石に関して現地で詳細にご指導いただきました。

また、ミドリシャミセンガイの資料がなくて困り果てていた時には素晴らしい偶然に救われました。
リフレッシュのために訪れた空手道場で稽古していた折、たまたまご一緒していた先輩弟子にあたる方が、この生物のご専門であることが判明し、すぐに論文を送って頂いて原稿が完成したのです。

また、この本の随所で使用されているサーベルタイガーの頭骨写真は、日本大学で教鞭を取っていらっしゃる村瀬先生にお借りしたものです。彼との出会いは、小学生時代に通っていた公文式の教室以来の付き合いである朝倉氏の紹介によるものです。

こうした数々の出会いに恵まれつつ、本書が完成したことは本当に嬉しいことです。
現在、Amazon、セブンイレブン、Lawsonほか、書籍を扱っているサイトでは随時情報が解禁されているようです。もちろん、一般書店にも並ぶ予定です。

詳細が判明しましたら、またご紹介します。
皆様どうも有難うございました。



2014年6月27日金曜日

メモ:プロジェクションマッピングに関する話題

プロジェクションマッピングが話題になって久しいですが、対象物の特性を生かした投影を行っている例がまだまだ少ない気がします。今回は



1.3Dプロジェクションマッピングの新境地!!動く板に映し出される驚きの世界!!!
https://www.youtube.com/watch?v=lX6JcybgDFo


2.高校生がプロジェクションマッピングをやってみた第6弾
https://www.youtube.com/watch?v=snLGEzpNlYM





*今回のネタは京大の坪田 康先生が運営していらっしゃるMLから引用させていただきました。お礼申し上げます。

2014年6月15日日曜日

福井市(旧越廼村)の足跡化石

先日、福井県の旧越廼村にある、大型哺乳類の足跡化石を見学してきました。
これは軍艦岩という景勝地にあるものです。同地では中新世の砂岩泥岩互層が約60度の角度で北西に傾斜しており、オーバーハングした層理面に多数の足跡化石が見られます。

地層が傾いているため、足跡化石の垂直断面や、足跡の凹型が侵食されて残った凸型(足跡にたまった上側の地層)を観察できる非常に特殊な場所です。足跡化石以外にも、サンドパイプと呼ばれる、巣穴の生痕化石や、植物の化石なども多数発見されています。

足跡化石を含む地層の上位からは、中新世の示準化石であるビカリアの一種が産出します。この回はウミニナ科の含まれるもので、熱帯~亜熱帯の汽水域に生活していたと考えられていますが、ビカリアが産出する層準からも偶蹄類や長鼻類の足跡が発見されており、これらの地層が常に水面下の環境にあったわけではなく、大型動物の足跡が残るような水辺のぬかるみであった時期も存在していたことを示唆しています。

海水準の上下動による環境の変化を如実に表しているよい例かと思います。
こうしたジオサイトが、もっと有名になればと思います。

なお、今回の見学および写真撮影には、高校時代の恩師であり、現在は福井高等専門学校で教鞭をとっていらっしゃる安野敏勝先生に大変お世話になりました。お礼申し上げます。



軍艦岩の砂岩泥岩互層を北東から見た様子。


長鼻類(ゾウ類)の足跡。前縁にある弧状の模様は指印と考えられている。

2014年6月3日火曜日

恐竜足跡3Dデータの配信(南メソジスト大学)

足跡化石を発見した際には、輪郭のトレースおよび指の長さや指間角の測定を行い、シリコンや石膏などで型取りを行います。

また最近では荒川 (2002) などのように、非接触型のレーザースキャナーによって露頭面の足跡化石を三次元計測し、解析を行うこともあります。
かつて野外での三次元計測など夢のような話でしたが、ハンディタイプのレーザースキャナーの登場により、こうしたことも可能になりました。


また南メソジスト大学 (Southern Methodist University :SMU)では、レーザ計測によって得られた3Dモデルの一部を配信しています
(Adams et al., 2010, http://palaeo-electronica.org/2010_3/226/index.html)。

あくまでも論文のAppendixという位置づけなので数は多くないのですが、体化石だけでなく生痕化石のデータも配信されるというのは、古生物学上とても意義のあることです。

恐竜だけでなく、大型の哺乳類や鳥類の足跡化石なども充実させたDBを作って、全てを横断検索出来るようになれば、古生態の研究に役立つのではないでしょうか。


とりあえず、落としたデータをmeshlabで読み込んだ画像を貼ってみます。


色情報がとれるレーザー計測機もありますが、これのハンディタイプが登場すれば、野外で完全な3Dデータをすぐに収集できるでしょう。
将来的にはハンマーとレーザースキャナを腰に差してフィールドを歩く日が来る・・・のか?

Adams, T., Strganac, C., Polcyn, M.J., and Jacobs, L.L. (2010) High resolution three-dimensional laser-scanning of the type specimen of Eubrontes (?) glenrosensis Shuler, 1935, from the Comanchean (Lower Cretaceous) of Texas: implications for digital archiving and preservation. Palaeontologia Electronica, 13.

Yohei Arakawa, Yoichi Azuma, Akihiro Kano, Toyohisa Tanjiri and Takami Miyamoto (2002) A new technique to illustrate and analyze dinosaur and bird footprints using 3-D digitizer. Memoir of the Fukui Prefectural Dinosaur Museum, 1, 7-18.

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