足跡化石を発見した際には、輪郭のトレースおよび指の長さや指間角の測定を行い、シリコンや石膏などで型取りを行います。
また最近では荒川 (2002) などのように、非接触型のレーザースキャナーによって露頭面の足跡化石を三次元計測し、解析を行うこともあります。
かつて野外での三次元計測など夢のような話でしたが、ハンディタイプのレーザースキャナーの登場により、こうしたことも可能になりました。
また南メソジスト大学 (Southern Methodist University :SMU)では、レーザ計測によって得られた3Dモデルの一部を配信しています
(Adams et al., 2010, http://palaeo-electronica.org/2010_3/226/index.html)。
あくまでも論文のAppendixという位置づけなので数は多くないのですが、体化石だけでなく生痕化石のデータも配信されるというのは、古生物学上とても意義のあることです。
恐竜だけでなく、大型の哺乳類や鳥類の足跡化石なども充実させたDBを作って、全てを横断検索出来るようになれば、古生態の研究に役立つのではないでしょうか。
とりあえず、落としたデータをmeshlabで読み込んだ画像を貼ってみます。
色情報がとれるレーザー計測機もありますが、これのハンディタイプが登場すれば、野外で完全な3Dデータをすぐに収集できるでしょう。
将来的にはハンマーとレーザースキャナを腰に差してフィールドを歩く日が来る・・・のか?
Adams, T., Strganac, C., Polcyn, M.J.,
and Jacobs, L.L. (2010) High resolution three-dimensional laser-scanning of the
type specimen of Eubrontes (?) glenrosensis Shuler, 1935, from the Comanchean
(Lower Cretaceous) of Texas: implications for digital archiving and
preservation. Palaeontologia Electronica, 13.
Yohei Arakawa, Yoichi Azuma, Akihiro Kano, Toyohisa Tanjiri
and Takami Miyamoto (2002) A new technique to illustrate and analyze dinosaur
and bird footprints using 3-D digitizer. Memoir of the Fukui Prefectural
Dinosaur Museum, 1, 7-18.