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2014年1月30日木曜日

地学教材 「蔵王 見たまま砂絵で地質図」開発のお知らせ (GSJ地質ニュース記事)



 前回、こちらの記事で砂絵を素材とした地学教育についてご紹介しました。イベントで使ってみたところ好評でしたので、シリーズ化できるといいな~と何となく考えていましたが、本当に第2弾が出てしまいましたよ。

 今回のテーマは「蔵王」です(紹介記事)。
 蔵王の中央部に位置する「御釜(おかま)」と呼ばれる火口湖周辺の地質を、刈田岳から見下ろした構図の砂絵です。これまでの砂絵は、既存の地質図を3D地形データにテクスチャマッピングする方式で作成していましたが、今回は対象地域の地質を詳細に描画するため、火山関係の研究者の皆様にご指導いただきながら、新しい3D地質図を作り起こしました。

 この教材は昨年9月に台市科学館で行われた「地質情報展 2013 みやぎ」にて初使用されました。会場ではHiRPシステム(精密立体模型)も公開し、バーチャルジオツアーも行いました。元々HiRPの展示は、実際の景色を見ながら砂絵を作成するのが立地条件的に困難な場合に備えて行うものでしたが、これからは教材の作成とHiRPによるジオツアーをセットで行うのが恒例となりそうです。

 この砂絵シリーズですが、既に筑波山をテーマとした第3弾を作成中です。今年の春にはお披露目になるかと思います。

 最後に、本教材の立案と、地質図作成に関してご指導いただいた山形大学および産総研火山活動RGの方々、そして前回に引き続き、ソフトウェアの使用に関してご快諾頂いたカシミール3D作者のDAN杉本氏に深くお礼を申し上げます。

2014年1月20日月曜日

プロジェクションマッピング玩具 「ハコビジョン」 PV




先月の記事で、スマホを使ったプロジェクションマッピングを手のひらサイズで実現する、バンダイ製の「ハコビジョン」についてお伝えしましたが、Youtubeのプロモムービーが更新されていましたのでリンクします。

その他にも、ビデオブロガーの方がこの製品を実際に使っている詳細なレビュー動画があったのですが、著作権等の諸事情によりリンクは差し控えさせていただきます。しかしYoutubeで「ハコビジョン レビュー」と検索して頂ければすぐに見つかると思います。

この製品は、プロトタイプ版が東京国立博物館で行われた特別展『KARAKURI』とも連動しており、博物館グッズの新しい展開を感じさせるものでもありました。

プロジェクションマッピングについて詳しい方は、投影の精度などを気にされるのではと思うのですが、位置合わせ用のガイドが付属しており、投影用の映像もスマホ画面の大きさに合わせたものを複数用意しているので、玩具として楽しむ分には問題ない精度のようです。このあたりの様子は、上記の公式PVやレビュー動画を見て頂ければお分かりいただけるかと思います。

なお、次作のハコビジョンはガンダムがテーマだそうです。人型のフィギュアにどのようなプロジェクションを施すのか、興味深い所です。

2014年1月10日金曜日

G空間EXPO2013 会場の様子 (ちずらぼ様 引用)


 G空間EXPO2013のサイトが更新されました。会場のムービーや、来場者数などが公開されています。来場者は合計17,584人だったそうです。盛況でしたね。

 地図関係の情報発信で有名な「ちずらぼ」様がブログにて会場の様子を克明にレポートして下さっています。転載の許可をいただきましたので、こちらに引用させて頂きます。ちずらぼ様、どうもありがとうございました。

ちずらぼのちずらぶ 「G空間EXPO2013~最終日」
http://plaza.rakuten.co.jp/chizulove/diary/201311170000/

 会期中は出展者側だったこともあり、会場の様子をなかなかレポートできませんでしたので、こうした正確な記録を残していただけることは本当に助かります。一部、引用しますと

引用ここから----------------------------------------------------------------------
優秀賞は「Personal Cosmos プロジェクトチーム」による「Personal Cosmos 〜 地球データの新しい可視化の形」。
そして産業技術総合研究所地質標本館の「精密立体地質模型による地形情報・地質情報の可視化と,博物館やジオパーク等での活用」の2作品。
いずれもシステムではなく「モノ」があることが興味深かった。
引用ここまで----------------------------------------------------------------------

 システムだけではなく「モノ」に対して注目して頂いたというのはとても嬉しいことでした。パネルディスカッションでもこのことについて議論されていましたね。やはり3Dプリンタを始めとする造型機や、もの作りなどといったハードウェア関する関心がこれまでになく高まっている証拠かと思われます。
 ディスカッションの最後では恐ろしい指摘もありまして、「前年度のGeoアクティビティフェスタに出展された技術が、今年は珍しいものでは無くなっており、恐らく来年も同様だろう」とのことでした。昨今のモデリング技術の共有や、CGMの発達スピードを考えると、こうした傾向が珍しいものでは無くなってゆくかもしれません。今後の展開が楽しみです。






2014年1月9日木曜日

スミソニアン博物館の3Dデータ配信

 昨年、こちらの記事で英国地質調査所の3Dデータ配信についてお伝えしましたが、かのスミソニアン博物館でも昨年11月より「Smithsonian X 3D」というサイトで試験的に3Dデータの配信を開始しています。スミソニアンと言えばとにかく収蔵品が多いことで有名ですが、将来的には同館にある1億3000万点以上に及ぶ収蔵品を全て3Dデータ化するとのことです。

 どこの博物館でも同じことですが、展示室に出ているのは収蔵品のごく一部であり、収蔵庫にある標本のほとんどはバックヤードツアーなどでしか見る事が出来ません。しかし、そういった普段人目に触れる機会のない標本もこうしてデータ化していつでも閲覧できる状態にするというは非常に意義深いことだと思われます。将来的には、博物館に標本を納入する際、同時に3Dデータも取得してしまうという作業が当たり前のように行われる事でしょう。初期の状態のを記録し、経年変化を見るうえでも役立つと思われます。X線CTによる元素マッピングなども併用すれば、より便利ですね。

こちらのサイトからユーザー登録をすることで、stl形式の3Dデータもダウンロードできます。3Dプリンタをお持ちの方は、是非出力に挑戦してみてください。
参考までに、イルカの頭骨の化石をstlビューワで読み込んだ様子をお見せします。stlビューワはHira Stl viewerがおススメです。




2014年1月5日日曜日

新年のご挨拶と、模型の正式名称(HiRP)につきまして

 

 皆様

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は、とても多くの方々にお世話になり、それが大きな結果につながった1年でした。本当にありがとうございました。
 今年は模型システムがいよいよ応用段階に入る年になりそうです。これまでお世話になった皆様に少しでもご恩返しできれば幸いです。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、模型システムの応用と普及に関してちょっとした障害となっていたのが、「精密立体地質模型」という、とっつきにくい名称でした。これは私が模型の実用試験を始めた時に仮称として名付けたものですが、Facebookなどでも名前が覚えづらいというご意見を何度か頂いており、出来るだけ早く馴染みやすい愛称を考えなければと思っておりました。

 そこで今年から、このシステムを「ハープ(HiRP)」と呼称することにします。HiRPとは
Highly Realistic Projection もしくは
High-Resolutional Projection の略称です。

 今後は投影模型を「HiRP模型」や「HiRPシステム」と呼称する予定です。また模型の各バリエーションを以下のように呼んではどうかと考えています。
・L-HiRP (Layered HiRP、積層型して地下の構造を見せるタイプ)
・I-HiRP (Interactive HiRP、GISと連動するインタラクティブタイプ)
・P-HiRP (Personal HiRP、個人で運用するモバイルタイプ)        等々

 
 既に一部でこの名称を使いはじめておりますが、一音節で発音しやすいこともあり、なかなか好評です。2014年をHiRP元年と位置づけ、より新しいシステムの開発と普及につなげる予定でおります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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