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2013年9月30日月曜日

イベントのお知らせ:第25回ミーツザサイエンス at つくばエキスポセンター (講演会&ワークショップ)


11月3日(日)に、つくばエキスポセンターで講演会とワークショップをさせて頂ける事になりました。精密立体地質模型を使った富士山、筑波山などの地質解説を中心に、3Dプロッタのデモンストレーションや、筑波山の積層模型作りのワークショップなどを行う予定です。なお、作った模型はお持ち帰り頂けます。

応募方法についてですが、明日10月1日午前10時より、下記のサイトからエントリーが可能となります。皆様ぜひご参加下さい。


なお、本講演会は、つくばエキスポセンターの小林様を始めとする関係者の皆様方
のご尽力によって実現したものです。改めて厚くお礼申し上げます。

2013年9月27日金曜日

GSJ地質ニュースの記事を、勝山ジオパークのブログからリンクしていただきました


先日、ジオパークにおける精密立体地質模型の開発と応用に関する報告をGSJ地質ニュースに投稿しましたが、その記事を恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークの公式ブログからリンクして頂きましたのでご報告します(9月10日記事)。勝山ジオパークの皆様、どうも有難うございました。

今年の上半期は模型を使ったジオパークに関する地学教育とバーチャルジオツアーを行いましたが、下半期には更に一歩進んで、防災教育などの実践的な活用が行われるようで、とても楽しみです。これに併せて、当方でもよりアピール力のあるコンテンツを新規開発して行きたいと思います。

なお、報告の直リンクは下記になります(pdfファイルが開きます)。




2013年9月25日水曜日

三次元造形の素材について

 切削型の3Dプロッタと、積層型の3Dプリンタを比較した場合、後者は素材の選択の幅が狭いというのがこれまでの傾向でした。具体的に言えば、3Dプロッタは台座に固定できる材料であれば、工具の負担にならない限り、どんな物でも切削加工できるのに対し、3Dプリンタの材料は樹脂や石膏といった特定のものに限定されていました。しかしながらこういった傾向にも変化が訪れそうです。

木の質感と匂いを3Dプリンタで再現できる! 木粉を使った新素材「ウッドライク」
 
 松浦機械製作所が開発した光造形と切削加工による金属の三次元造型機
http://www.matsuura.co.jp/japan/contents/products/lumex.html

どちらも金属や木材の微粉を使用しているもので、従来の紛体積層と本質的には同じかと思われます。しかし松浦製作所のものは、粉体積層後に、切削加工による仕上げ作業を行うことで、3Dプリンタのもう一つの弱点である加工精度の低さも克服している点が非常に注目されます。
プロユースの造型機と、普及型の3Dプリンタを単純に比較する事は到底できませんが、こういった技術の登場により、三次元造型の幅は確実に広がる事でしょう。機会があれば、精密立体地質模型にも導入してみたいと思います。 

 *なお、近年テレビ話題の臓器や食品の造型に関しても思い起こされますが、これらは別系統の技術ですので、次の機会に取り上げたいと思います。

2013年9月24日火曜日

記事紹介:3Dプリンタから生まれた世にも不気味な失敗作12選

http://youpouch.com/2013/09/21/135302/?utm_campaign=Partner%3A+msn&utm_medium=partner&utm_source=msn

7月にも同じような記事をご紹介しましたが、Makeのサイトにも3Dプリンタの失敗作に関する記事が掲載されていました。

今年になって普及が進んでいる、いわゆる低価格3Dプリンタは、フィラメント状の樹脂を熱で溶解して積層するタイプであるため、ピッチの設定や造型時間によってはこのような失敗作が生まれることもあるのでしょう。

この記事では、こういった失敗作も前衛的な作品として位置付けていますが、ノウハウの蓄積という意味でも、こういった失敗例を記録しておくことは意義のあることかと思います。


 

「地質情報展2013みやぎ」終了のご報告と、三次元造型機の話題1件

先日お知らせしました地質情報展2013は無事終了しました。

開催期間となった913日~16日の間は、台風の接近に伴って非常に厳しい天候となりましたが、2000人を超える方々にお越し頂きました。

会場にお越し下さった皆様、仙台市科学館の方々には心よりお礼申し上げます。また、Facebookの記事をシェアして下さった方々も有難うございました。

今回出展した蔵王砂絵地質図の工作コーナーは、お陰様でかなりの反響をいただきました。この砂絵地質図は、今年の初めに開発した筑波山の砂絵地質図の工作キットが予想外の高評価を頂いたため、砂絵シリーズの第二弾として、今回の地質情報展用に開発したものです。

会場では蔵王の地質解説を行いながら地質図を作成し、その後会場内に設置した精密立体地質模型を見ながら周囲の地質や地形についてより深くご説明しました。

会場で伺ったお話によると、地元の小学校で三次元プリンタの導入が既に始まっているとの事でした。どのような授業に使用するかまでは分からなかったのですが、非常に刺激的な試みだと思います。
小学校でも三次元造型の授業が行われる時代になり、DTMがより身近ものとなることは確実だと思います。そのような時代に何を作り、何が可視化できるのかを、標本館の視点から発信して行ければと思います。

追記:会場では「あまちゃん」に登場する三陸ジオパーク内の露頭についても数多くの質問を頂きました。私自身がドラマを全く見ないので、一般的な回答しか差し上げることが出来ず申し訳ありませんでした…。自分の不勉強を恥じるばかりであります。

2013年9月9日月曜日

「地質情報展 2013 みやぎ 大地を知って明日を生かす」出展のお知らせ




















今年も地質学会&地質情報展の季節がやってまいりました。
今回の開催地は仙台市の「スリーエム仙台市科学館」です。

多数の体験コーナーが出展されますが、私は蔵王火山のコーナーを担当します。
御釜周辺の立体地質図を作れる砂絵コーナーや、蔵王火山の立体模型など展示します。
開催期間は9月14日午後~9月16日午前です。
詳しい内容については下記をご参照ください。
https://www.gsj.jp/event/2013fy-event/miyagi2013/index.html

皆様のご来場を心からお待ちしています。

2013年9月6日金曜日

マイクロソフトが開発した"IlllumiRoom"とプロジェクションマッピング

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1304/30/news036.html

IlllumiRoom(イルミルーム)とはマイクロソフトが開発した視覚効果技術の一種で、簡単に言えば部屋中にプロジェクションマッピングを施して、映像への没入感を高めるシステムです。今年の春にMicrosoft Researchから論文が発表されたこともあって話題となりました(下記PDF)。
http://research.microsoft.com/en-us/projects/illumiroom/illumiroom_chi2013_bjones.pdf

この種の多面的な立体表示システムとしてはすでにCAVEが知られており、産総研やJAMSTECなどで有効な可視化手段として利用されています。
http://www.nissho-ele.co.jp/product/cave/

これに対してIlllumiRoomは、Microsoft Researchの論文やレビューを見る限り、ゲームや環境映像といった分野での利用を主眼としているようです。しかし同じくゲームの入力デバイスとして発売されたKinectが、瞬く間に3Dスキャナへと進化したように、こちらも学術情報の可視化システムへの進化が期待されます。

IlllumiRoomの最大の特徴は、Kinectによって部屋の形状データを取得し、それに合わせて画像情報を能動的に合致させながら投影することで、凹凸の多い住宅環境でも自然な投影を可能としている点でしょう。見方を変えれば、博物館などにおいて、展示物を頻繁に変えながら、その形状に合わせたプロジェクションマッピングを行うことも可能になりそうです。

ただ、Kinectの距離計測範囲(Kinect SDK使用時850~4,000mm、OpenNI使用時500~10,000mm)を考慮した場合、あまり広い展示室での使用には適していない可能性もあります。照明環境などによって精度が左右されやすい機器であるため、このあたりの調整も難しそうですね。
手元にKinectが1台ありますので、暇をみて実験してみたいところです。

あまり博物館関係では話題になっていないようですので、取り上げてみました。


2013年9月4日水曜日

アジアサイエンスキャンプ2013見学対応終了

 先日お知らせした、つくば市におけるアジアサイエンスキャンプ2013の見学対応についてですが、無事終了いたしました。

 非常に多彩な国籍と専門知識を持った方々に来ていただきました。私が担当した学生さんは生物学と工学を目指す方が多く、化石のコーナーや太平洋の海底地形のコーナーで多くの質問を頂きました。

 とても熱心な方々が多く、各コーナーで質疑応答を繰り返しながらの見学対応となったため、予定されていた1時間はあっという間に過ぎ去りました。急ぎ足で回ったため、一つ一つのコーナーをじっくり見ていただくことが出来ず申し訳ありませんでしたが、また機会があればぜひ標本館においで頂ければと思います。

 私もとても充実した時間を過ごさせていただきました。皆様どうもありがとうございました。


追記:↓のリンクにもあるように、とても高レベルで学際的なプロジェクトです。今回、つくば市を舞台にこのような試みが行われ、それに参加させて頂いた経験はとても刺激的でした。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。



http://www.tsukuba-sci.com/?p=18053

2013年9月3日火曜日

磐梯山噴火記念館にて、火山巡回展がスタートしました

 今年の春に地質標本館で行われていた霧島火山の特別展時ですが、いよいよ火山巡回展として日本全国を回る旅がスタートしました。

最初に展示を行って下さるのは、福島県の「磐梯山噴火記念館」です。同館は磐梯山の迫力あるジオラマや、SONYとのタイアップによる全周囲モニタを利用した映像展示など、火山学に関連した展示が有名です。

同館の佐藤 公先生より、展示の様子を撮影した画像をお送りいただきましたので、掲載します。佐藤先生、どうも有難うございました。皆様、磐梯山にお越しの際はぜひどうぞ。
追記:大変残念ですが、精密立体地質模型の展示は諸般の事情により、噴火記念館での展示を見合わせることになりました。次の巡回地では展示可能となるよう調整してまいります。まことに申し訳ございません。


パネル展示の様子



 パネル展示とビデオ映像(ビデオ映像の解説については下記をご参照ください)
http://kasekishonen.blogspot.jp/2013/07/blog-post_29.html


火山弾の展示

精密立体地質模型に関する記事(GSJ地質ニュース8月号、リンクあり)

芝原 暁彦(2013)三次元造型技術とプロジェクションマッピングを用いた精密立体地質模型の開発と,博物館およびジオパーク地域での活用.GSJ 地質ニュース,2,no. 8,243–248.
https://www.gsj.jp/data/gcn/gsj_cn_vol2.no8_243-248.pdf

 GSJ地質ニュースに投稿した記事がweb上で公開されていますのでお知らせします。
 この記事は2011年末~2012年中ごろまでに開発した内容を大まかにまとめたものです。現在特許出願中であるため具体的な技術内容には触れていませんが、学会や博物館などでの応用例について出来るだけ広範に書かせて頂きました。

 今年に入ってから低価格3Dプリンタの発売が話題となったり、三次元造型やプロジェクションマッピングに関するテレビ特集が組まれたりするなど、この分野の技術に関する認知度が急速に高まりました。これに加えて、8月末に6周年を迎えたボーカロイド・初音ミクなどに代表される消費者生成メディア (Consumer Generated Media :CGM) の浸透や、高品質3Dモデル共有サイトの普及、更にはDMM.comによる3Dプリントサービスの開始など、もの作りに対するハードルが格段に下がった感があります。おそらく数年以内に、もっと早ければ来年の前半には、個人で立体物を作成するという行為自体は珍しいものでは無くなっているかも知れません

 そんな時代、学術情報をいかに効果的かつ高精度に可視化するか、そしていかに魅力的かつ先進的なコンテンツを博物館で展示してゆくかが問われることになると思います。皆様に驚きを持って見て頂けるような新しい技術を現在も開発中ですので、どうぞご期待ください。

追記:他の精密立体地質模型については、近日中に地質学雑誌に掲載されます。また、筑波山の精密立体地質模型に関してもGSJ地質ニュースの9月号に掲載予定です。

2013年9月2日月曜日

英国地質調査所が取り組む3Dデータの配信


本トピックに関して、8月31日付でギズモード・ジャパンに記事が掲載されたのですが、自分の周囲では意外に盛り上がっていませんので、こちらでご紹介しておきます。
 英国地質調査所のサイトでは以前から地質情報の三次元データに関する啓蒙やデータ配信が熱心に行われていましたが、ついに今年の8月から化石の三次元データの配信が開始されました。

 この試みは"The GB3D Type Fossils Online project"と呼ばれ、今年の8月22日にロンドンで行われたイベントで正式にキックオフされたとのことです。
 本プロジェクトにおいて特筆すべきは、"Type Fossils"すなわちタイプ標本の配信が行われているという事でしょう。タイプ標本とは生物に対して分類学上の学名を与える際に基準となる標本の事で、これをオンラインで共有できるというのは非常に意義深いことです。

 これまで化石標本を国外の研究機関とやり取りする事は非常に神経を使う作業でした。輸送中の紛失や損壊、空港での没収などで貴重な化石を失った経験は私自身も何度かあります。しかし標本のデータ化と共有が今後一般化すれば、こういったリスクからも解放され、より多くの研究者が化石情報に関して幅広く議論できる環境が整うように思います。

 まだ収録されている三次元データは少なく、有孔虫などの微化石に関しても整備はこれからのようですが、素晴らしい試みだと思います。個人的には、昔ロンドン自然史博物館のバックヤードで見せてもらった、チャレンジャー号探検航海で採取された放散虫の標本などアップしてくれたら嬉しいですね。

The GB3D Type Fossils Online project
http://www.3d-fossils.ac.uk/home.html

その他、地質情報の三次元的可視化に関する試み
http://www.bgs.ac.uk/services/3Dgeology/

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