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2014年5月9日金曜日

【動画あり】プロジェクションマッピングの意義について考える?バンダイ製「ハコビジョン」ガンダムと初音ミクバージョン



株式会社バンダイが発売している食玩「ハコビジョン」については、以前こちらの記事で国立博物館とのタイアップに関してお伝えしました。
その後機動戦士ガンダムをテーマとした2つ目のバージョンをゲットしましたので、遅まきながらレビューしたいと思います。

結論から言いますと、500円という価格でデジタルな「覗きからくり」式のコンテンツを楽しめる商品でした。以下、本商品の長所と短所について述べてみます。

【良かった点】
・500円という低価格でありながら、同梱されているフィギュア(レリーフ)の質、ハーフミラーの精度などは良好で、投影する映像も多彩な演出が盛り込まれており、玩具としての買い得感はある。
・箱の組み立て、Youtubeからの映像読み込み、投影までにかかる時間はわずか数分であり、ユーザーフレンドリーな設計である。
・ガンダム周辺には多面体のレリーフが仕込まれており、辺上もしくは面上に映像を重ね合わせる事で動的な演出が行われ、ユーザーを飽きさせない工夫がなされている。

【悪い点】
・映像の演出が過剰。レリーフの全面に動画を投影するシーンが多く、あちこちが動くので、逆にフィギュア部分の立体感を把握しづらい。フィギュアの一部のみに映像を投影するシーンが数か所あったが、こちらの方が見やすく感じた。
・映像が多彩だが、コンセプトが分かりづらい。ガンダムの周辺でSDのザクがコミカルに戦うシーンがあるかと思えば、ガンダム全体が花と蔓に覆われるシーン(東京都フラワーガンダムの再現?)があるなど、様々な演出とシチュエーションが楽しめるが、逆にスケールの統一感を損ねている感もある。

このように良い点と悪い点が半々ぐらいの商品かなと感じました。
また同社のサイトにも書かれていますが、この商品はあくまでも「疑似的な3Dプロジェクションマッピング*」を実現するものであり、本質的な立体投影を行っているわけではありません。もちろんこのアイデア自体は素晴らしいものです。ただ、レビューサイトの多くに「3Dプロジェクションマッピングを実現する~」と書かれているのはいささか疑問を感じました。

また、過剰気味な映像が立体感を損ねてしまっているケースも散見されました。逆に、ガンダム本体のみにプロジェクションマッピングを行って、周辺のレリーフ部分に線画を当てるシーンでは、良好な立体感を得られており、次回作の初音ミクバージョンでは、ぜひともこの演出の進化を期待したいところです。

ただただレリーフ状の物に映像をオーバーレイさせるだけでは立体感を得ることはできず、逆に情報を絞り込むことで演出を際立たせることが出来る、その両方のケースをこの玩具は見せてくれました。

色々書きましたが、立体でコンテンツを見せる意義について、色々と考えさせてくれる知的玩具として価値のあるものだったと感じました。


*この製品は、ガンダムのレリーフの前部に、ハーフミラーを斜めに立てかけ、上から映像を投影する。これをレリーフ正面から眺めると、ハーフミラーに反射した映像と、奥のレリーフが重なって見えるため、「疑似的に」レリーフと映像が重なって見える。つまりレリーフの上に直接映像を投影しているわけではないが、オプチカルプリンタの原理を用いて疑似的なプロジェクションマッピングを実現した玩具と言える。




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