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2013年9月6日金曜日

マイクロソフトが開発した"IlllumiRoom"とプロジェクションマッピング

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1304/30/news036.html

IlllumiRoom(イルミルーム)とはマイクロソフトが開発した視覚効果技術の一種で、簡単に言えば部屋中にプロジェクションマッピングを施して、映像への没入感を高めるシステムです。今年の春にMicrosoft Researchから論文が発表されたこともあって話題となりました(下記PDF)。
http://research.microsoft.com/en-us/projects/illumiroom/illumiroom_chi2013_bjones.pdf

この種の多面的な立体表示システムとしてはすでにCAVEが知られており、産総研やJAMSTECなどで有効な可視化手段として利用されています。
http://www.nissho-ele.co.jp/product/cave/

これに対してIlllumiRoomは、Microsoft Researchの論文やレビューを見る限り、ゲームや環境映像といった分野での利用を主眼としているようです。しかし同じくゲームの入力デバイスとして発売されたKinectが、瞬く間に3Dスキャナへと進化したように、こちらも学術情報の可視化システムへの進化が期待されます。

IlllumiRoomの最大の特徴は、Kinectによって部屋の形状データを取得し、それに合わせて画像情報を能動的に合致させながら投影することで、凹凸の多い住宅環境でも自然な投影を可能としている点でしょう。見方を変えれば、博物館などにおいて、展示物を頻繁に変えながら、その形状に合わせたプロジェクションマッピングを行うことも可能になりそうです。

ただ、Kinectの距離計測範囲(Kinect SDK使用時850~4,000mm、OpenNI使用時500~10,000mm)を考慮した場合、あまり広い展示室での使用には適していない可能性もあります。照明環境などによって精度が左右されやすい機器であるため、このあたりの調整も難しそうですね。
手元にKinectが1台ありますので、暇をみて実験してみたいところです。

あまり博物館関係では話題になっていないようですので、取り上げてみました。


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